はじめに
DLC後編 藍の円盤にて(アローラ)ナッシーが解禁されました。
このポケモンは「とおせんぼう」と「ねをはる」を覚えるため、吹き飛ばし持ちのディンルーやカバルドンさえもキャッチしてTODできます。
周知のとおりチオンジェンでも同じことができます。
さて、初手の起点作成ポケモンとしてはキラフロルも有名ですね。
チオンジェンは特防が高く、毒テラス+バークアウトで容易にTODできます。しかしながら、(アローラ)ナッシーの種族値はH95D75と高いとはいえず、残飯+根をはる+守るでは受けきれません。
そこで、夢特性の収穫を使って耐久したいところですが、
相手の攻撃の追加効果や急所に加えて、50%の収穫という運要素も絡んでくると、もはや受けきれるのかどうか判別できません。
TOD成功率を解析的に求めるのは難しいため、今回はモンテカルロ法(乱数シミュレーション)を用いてナッシーの生存率を推定してみました。
型紹介
オボンの実とタラプの実(D上昇)を持たせた型を考えます。
オボン収穫型
- 毒テラス
- H202(252) D139(252+)
- とおせんぼう/ねをはる/まもる/攻撃技
タラプ収穫型
- ゴーストテラス
- H199(228) D139(252+)
- とおせんぼう/ねをはる/ねむる/攻撃技
タラプ型ではHP実数値を199に下げて、毒ダメージを25→24に軽減すると生存率がわずかに上がります。
誤差の範囲内かもしれませんが、いずれにせよ余った努力値をBに振ったほうが効率的でしょう。
先に結論
- オボン型:C182キラフロルすら受けきれない
- タラプ型:C200キラフロルにも78%でTOD勝ちできる
キラフロルについて
シーズン13(12月24日時点)の使用率は以下のようになっています。
https://sv.pokedb.tokyo/pokemon/show/0970-00?season=13&rule=0
キラースピンの採用率が5割を超えており、先発の起点作成型にはおおよそ搭載されていると思われます。
また、過去に結果を残した中には、ほぼC特化のアタッカー型も見られます。
オボン型は毒の定数ダメージ(1/8)を許容できないため、毒or鋼テラスにする必要があります。
タラプ型は眠るで毒を解除できるため、最高威力のヘドロウェーブを半減するゴーストテラスを採用しました。
オボン型の生存率
以下の仮定のもと計算しました。
- 1ターン目のナッシーは毒テラスしてHP 100%の状態
- キラフロルはC182(無補正252振り)、火力アップなし
- 大地の力をくらう → まもる → ...を16回繰り返す
- 大地の力のダメージ:90~106 (44.6~52.5%) 乱数2発(17.18%)
- 1ターン目から根をはるで回復
- 追加効果のDダウン(10%)、急所(4.1%)を考慮する
ナッシー vs キラフロル対面を10000回計算した結果が以下です。
ナッシーは平均7.8ターンしか生存できませんでした。
追加効果のDダウンと急所を考慮しない場合でも、平均11ターンしか生存できません。
残念ながら、特殊耐久が全く足りていません。
タラプ型
以下の仮定のもと計算しました。
- 1ターン目のナッシーはゴーストテラスしてHP 100%の状態
- キラフロルはC200(特化)、火力アップなし
- ナッシーが毒状態でなければキラースピン、毒状態ならパワージェムをくらう
- パワージェムのダメージ:66~78 (32.7~38.7%) 乱数3発(97.85%)
- 1ターン目から根をはるで回復
- 急所(4.1%)を考慮する
- 次のターンにパワージェム最大乱数(急所非考慮)+毒ダメで倒される場合にねむる
- ねむるの最大PP8
ナッシー vs キラフロル対面を10000回計算した結果が以下です。
ナッシーは平均25.6ターン生存しました。
TOD勝ちの目安となる、パワージェム16回+ねむる4回 = 20ターン以上持ちこたえる確率は78.3%でした。
ナッシーの努力値配分をHD特化にしても、勝率は78.1%とほぼ変わりませんでした。
最後に
統計誤差は算出していません m(__)m
タラプ型では、眠るタイミングの見極めが重要になるかと思います。
実際には火力を落としたキラフロルも多く存在するため、TOD成功率は80%以上と予想します。
初手チオンジェンのTODは実際に読まれることがあったので、レギュレーションFのナッシーには期待しています。